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草間 義紀
プラズマ診断の基礎と応用, p.195 - 205, 2006/03
プラズマ・核融合学会からの依頼により、上記の本の第6章第3節「高速中性粒子の計測」を執筆した。高温プラズマ中の高速イオンの挙動を解明することを主な目的に幅広く利用されている高速中性粒子計測に関し、高速中性粒子の発生過程,高速中性粒子発生量の評価,高速中性粒子のプラズマ中での減衰と積分効果,質量/エネルギー分析器など、本計測の基礎を概観している。また、高速イオンの中性化過程における不純物イオンの効果,多段階電離過程による高速中性粒子の減衰など、近年、考慮する必要があると考えられるようになった効果についても述べた。さらに、実際の計測及び分析器の設計を行う際の注意点について触れた。
石川 正男; 武智 学; 篠原 孝司; 草間 義紀; Cheng, C. Z.*; 松永 剛; 藤堂 泰*; Gorelenkov, N. N.*; Kramer, G. J.*; Nazikian, R. M.*; et al.
Nuclear Fusion, 45(12), p.1474 - 1480, 2005/12
被引用回数:38 パーセンタイル:74.86(Physics, Fluids & Plasmas)アルフベン固有モード(AE)による高エネルギーイオンの輸送を調べるために、中性子発生分布及びダイヤモンド検出器を用いた中性粒子束の測定をJT-60Uにおいて初めて行った。弱磁気シアプラズマにおいて、Abraut Large-amplitude Event(ALE)と呼ばれるバーストモードが発生した時、100-370keVの特定のエネルギー範囲の高エネルギーイオンが輸送されることが、中性粒子計測から初めて得られた。また、中性子発生分布はALEにより再分配することがわかった。これらの計測から、ALEは特定のエネルギー範囲を持つ高エネルギーイオンをプラズマ中心部から周辺部へ再分配することが詳細に示された。一方、負磁気シアプラズマではRversed-Shear-induced AE(RSAE)と呼ばれるAE、及びRSAEからTAEへの遷移を確認しており、中性子発生分布計測は、モードによる輸送はRSAEからTAEへの遷移中が最も大きいことを示唆している。
石川 正男; 草間 義紀; 武智 学; 西谷 健夫; 森岡 篤彦; 笹尾 真実子*; 磯部 光孝*; Krasilnikov, A.*; Kaschuck, Y. A.*
Review of Scientific Instruments, 75(10), p.3643 - 3645, 2004/10
被引用回数:6 パーセンタイル:35.65(Instruments & Instrumentation)JT-60Uにおいて天然ダイヤモンド検出器(NDD)を用いた高速中性粒子計測を開始した。NDDは非常にコンパクトかつ高エネルギー分解能,操作性の容易さなど多くの特長を併せ持つ。現在、NDDをJT-60Uトカマクの接線ポートに設置し、接線NBI、特にNNBIによって生成される高エネルギーイオンの振る舞いを、荷電交換された高速中性粒子を測定することで調べている。しかし、NDDは中性子及び線等にも感度を持つ。特に、JT-60Uの重水素プラズマ実験では、DD中性子が中性粒子計測の大きなノイズ源となる。そこで、放射線シールド(ポリエチレン厚25cm, 鉛厚10cm)を検出器の周りに設置することでノイズ源を減少させている。これまで、NBI時に、これまで得られなかった入射エネルギーに対応した中性粒子の連続エネルギー分布を得るとともに、鋸歯状振動やアルフベン固有モード等の不安定性発生時の中性粒子束の増加を観測している。NDDの重水素プラズマにおける中性粒子エネルギー分析器としての性能を示すとともに、高エネルギーイオンの挙動を調べるうえでの有用性を示した。
飛田 健次
JAERI-M 92-214, 105 Pages, 1993/01
JT-60で行なわれた能動的中性粒子診断法に関連する実験結果をまとめた。まず、プラズマに高速中性粒子ビームを入射し、そのビームのシャインスルーを調べた。その結果、水素ビームの減衰過程において、多段階電離によると考えられる断面積の増大を初めて観測した。中性粒子ビームの小角散乱を利用したイオン温度測定法において、プラズマ中の高エネルギーイオンの効果、中性粒子分析器の装置関数の効果等を評価した。また、ヘリウム原子ビームとヘリウムイオンの二電子性荷電交換を利用して、ヘリウム灰検出の模擬実験を行った。能動的中性粒子計測において、寄生的に生ずるノイズの研究を行った。このノイズを逓減する方法を提案した。
飛田 健次; 草間 義紀; 伊藤 孝雄; 根本 正博; 竹内 浩; 塚原 美光
Japanese Journal of Applied Physics, 29(4), p.760 - 764, 1990/04
被引用回数:1 パーセンタイル:10.07(Physics, Applied)環境磁気閉じ込め装置の能動的中性粒子計測において、プラズマ周辺に捕捉されたプローブビームのドリフト運動に寄与するある寄生的な現象が、測定の障害となりうることが判明した。本論文は、JT-60の測定を例にとり、この寄生効果の物理的描像を記述する。この寄生効果は、粒子検出系の視野がダイバータのような高リサイクリング領域を通る系で起こり、その発現はプラズマ表面の安全係数に依る。我々の解釈の妥当性及び寄生効果を避ける方法についても述べる。
飛田 健次; 竹内 浩
Journal of the Physical Society of Japan, 55(12), p.4231 - 4233, 1986/12
被引用回数:1 パーセンタイル:17.93(Physics, Multidisciplinary)2-15keVのエネルギー領域で、水素ガス中におけるヘリウム原子の一電子損失断面積を測定した。測定は、イニシャルグロース法によって行われた。中性粒子検出の誤差を低減するため、検出器としてマイクロチャンネルプレートが用いられた。得られたデータは、10-15keVのエネルギー領域で、今までに発表されているデータと良く一致した。